抄録
本稿では自動要約システムの誤り分析の枠組みを提案する.この誤り分析の枠組みは,要約が満たすべき 3 つの要件と誤った要約が生じる 5 つの原因からなり,要約の誤りをこれらからなる 15 種類の組み合わせに分類する.また,システム要約において 15 種類の誤りのうちどの誤りが生じているかを調査する方法もあわせて提案する.提案する誤り分析の枠組みに基づき,本稿ではまず,システム要約を分析した結果を報告する.さらに,分析の結果に基づいて要約システムを改良し,誤り分析の結果として得られる知見を用いてシステムを改良することでシステム要約の品質が改善されることを示す.