自然言語処理
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論文
タスク指向対話におけるユーザ要求の理解とその根拠の抽出
福永 隼也西川 仁徳永 健伸横野 光高橋 哲朗
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2019 年 26 巻 1 号 p. 121-154

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抄録

本論文は,データベース検索対話においてデータベースフィールドに直接言及しないが,データベースへのクエリを構成する上で有益な情報をユーザ発話から取り出す課題を提案する.このような情報を本論文では非明示的条件と呼ぶ.非明示的条件を解釈し,利用することによって,対話システムはより自然で効率的な対話を行うことができる.本論文では,非明示的条件の解釈を,ユーザ発話をデータベースフィールドに関連付け,同時にその根拠となる発話の断片を抽出する課題として定式化する.この課題を解くために,本論文では,サポートベクタマシン (SVM),回帰型畳込みニューラルネットワーク (RCNN),注意機構を用いた系列変換による 3 つの手法を実装した.不動産業者と顧客との対話を収集したコーパスを用いた評価の結果,注意機構を用いた系列変換による手法の性能が優れていた.

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© 2019 一般社団法人 言語処理学会
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