2020 年 27 巻 2 号 p. 329-359
本稿は,イベント表現抽出において,テキスト中のイベント表現の多様性に対応するために,異なるエンコーティングモデル群と,入力毎に信頼度の高いエンコーディングモデルの集合を動的に選択する動的アンサンブル機構からなる新たなアンサンブル法を提案する.サブタスク毎の比較評価により,提案手法を用いたイベント情報抽出が,各エンコーディングモデルやソフト投票法を F1 値で上回る事を示す.さらに,NIST TAC KBP2016 および KBP2017 のイベント表現抽出の公式評価との比較評価を通じて,提案手法の有効性を示す.最後に,提案手法の様々なニューラルネットワークモデルへの適用可能性の議論を通じて,イベント表現検出における提案手法の有用性と課題を考察する.