2026 年 33 巻 2 号 p. 957-988
推薦対話システム (Conversational Recommender Systems; CRS) は,対話を通じてユーザの嗜好を引き出し,適切なアイテム推薦を提供することを目的とする.しかし,既存の推薦対話データセットは少ないターン数で推薦を行うため,旅行代理店における旅行相談のように,推薦に先立ちユーザの嗜好や要望を詳細に聞き取る対話とは異なる.本研究はこの問題に対処するため,大規模言語モデル (LLM) を活用し,対話履歴からの対話要約文,アイテム情報からアイテム推薦文の生成を行う.これにより,ユーザの明示的な発話だけでなく,対話文脈から推測される暗黙的嗜好の抽出も可能になる.さらに,推薦性能を基準として対話要約文とアイテム推薦文の生成を最適化するため,Direct Preference Optimization (DPO) を用いる手法を提案する.2つの公開データセットを用いた実験により,本手法がユーザの嗜好を段階的に把握した上で推薦を行う推薦対話プロセスに対して有効であることを確認した.実装は以下で公開している: https://github.com/UEC-InabaLab/Refining-LLM-Text