自然言語処理
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日中機械翻訳システムjaw/Chineseにおける変換・生成の方式
謝 軍今井 啓允池田 尚志
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2004 年 11 巻 1 号 p. 43-80

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抄録

本稿では, 我々が開発している日中機械翻訳システムjaw/Chineseにおける変換・生成の方式について述べる.jaw/Chineseの翻訳は, 表現パターンの変換による命題的内容の翻訳とモダリティ等の翻訳による用言後接機能語の翻訳の2つの処理段階から成っている. 命題的内容の翻訳では, 構文解析→パターン照合変換→訳語生成の順で行なう. 命題的内容の翻訳規則に関しては基本型, 内容語追加型, 機能語追加型3種のパターン変換規則を設けて, 対応する中国語の訳語, 意味格の格名や格標識などで記述する・用言後接機瀧語を機瀧によって「使役等」, 「時制等」, 「判断等」, 「接続」の4つの要素に整理し, 「使役等」, 「時制等」, 「判断等」と対応する中国語の補助的表現要素を分析してその翻訳規則を表の形式で考案した.「接続」については, 機能語追加型表現パターンの翻訳規則を記述し, 命題的内容の翻訳と同一視して翻訳を行なう. また, 中国語の意味格および補助的表現要素の並び順序である文型について考察し, 訳文の語順生成に用いる. 最後にC++の上に実装したこのパイロットシステムの方式の有効性を示す.

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