自然言語処理
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迂言表現と重複表現の認識と言い換え
鍜治 伸裕黒橋 禎夫
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2004 年 11 巻 1 号 p. 81-106

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抄録

言い換え処理は, 様々な自然言語処理アプリケーションで必要とされている非常に重要な技術である. 言い換え処理の一つとして, 本論文では「名詞+格助詞+動詞」という形の迂言表現と重複表現を国語辞典を用いて認識し, さらにそれらを言い換える手法を提案する. 迂言表現とは, 動詞が動作を表していない表現や, 名詞が動作の主体や対象を表わさずに動作の状態を表している表現のことである. そして重複表現とは, 動詞と名詞の問に意味の重複がある表現のことである. これらの表現には, 多くの場合, 同じ意味をより簡潔な形であらわした表現が存在する. 提案手法の認識処理と言い換え処理の精度を二人の被験者が判断したところ, 認識処理の精度は, 平均して適合率78%, 再現率52%であった. また, 言い換え処理の精度は平均して91%であった.

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