自然言語処理
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チャット対話における発言間の継続関係と応答関係の同定
徳永 泰浩乾 健太郎松本 裕治
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2005 年 12 巻 1 号 p. 79-105

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抄録

本論文では, チャット対話の対話構造を解析する手法を提案し, その実現可能性について論じる.まず, 発言問の二項関係である継続関係と応答関係に対話構造を分解し形式化する.継続関係とは, 質問やそれに対する応答を構成する同一話者による発言問の関係である (例えば, 1つの質問を構成する2つの発言「あなたは」と「学生ですか?」の関係, あるいは1つの応答を構成する2つの発言「はい」と「そうです」の関係).応答関係とは, 質問と応答のような異なる話者による発言間の関係である.これらの関係に基き, 発言をまとめあげることで対話構造を解析する.本研究では, この問題をある発言とそれに先行する発言との間に継続関係または応答関係があるか否かの2値分類問題に分解し, コーパスベースの教師あり機械学習を試みた.解析対象は, 対話構造を付与したコーパスである (2人対話と3人対話の合計69対話, 11905発言).本手法による対話構造全体の正解との一致率は, 2人対話87.4%, 3人対話84.6%であった.

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