自然言語処理
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交替の特徴調査と二言語結合価エントリ獲得への利用
藤田 早苗FRANCIS BOND
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2005 年 12 巻 3 号 p. 67-89

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抄録

本稿では, 自動詞の主語が他動詞の目的語となる動詞の交替を対象とし, 既存の結合価辞書における交替の選択制限の対応関係の調査や, 2言語間の交替の比較などを行なう.更に, これらの調査結果に基づき, 交替データを用いて比較的単純な置き換えにより既存の結合価辞書に新しいエントリを追加する方法を提案する.本稿では, 交替の片側に対応するエントリから, もう片側のエントリを獲得する.また, 本提案手法では2言語の結合価エントリを同時に作成する.作成したエントリは, 下位範躊化構造や選択制限, 交替情報等の詳細な情報を持っている.本稿の実験の結果, 対象とした交替を85.4%カバーすることができた.また, 翻訳評価の結果, 本手法で作成したエントリによって, 翻訳結果が32%改善された.

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