自然言語処理
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略語とその原型語との対応関係のコーパスからの自動獲得手法の改良
酒井 浩之増山 繁
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2005 年 12 巻 5 号 p. 207-231

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抄録

略語とその略語に対する元の語 (原型語と定義) との対応関係を, コーパスから自動的に獲得する手法を提案する.本手法は, 同一の再現率においてより高い精度を達成できるように, 我々の既提案手法 (酒井, 増山2002) を改良したものである.このような知識は, 情報検索や文書要約などにおいて有用である.本手法は, まず, 略語候補とそれに対応した原型語の候補を, それらを構成している文字情報から獲得する.そして, 略語候補と原型語の候補の名詞問類似度を計算することで, 略語とその原型語との対応関係を取得する.例えば, 略語「原発」に対して, 原型語「原子力発電所」のような対応関係を取得できる.なお, 本手法はコーパスに出現する各名詞が略語か原型語であるかどうかの情報が与えられていることを前提としていない.評価の結果, 名詞間類似度の閾値を0.4に設定した場合, 精度73.4%の結果を得た.本手法と既提案手法とを比較した結果, 同一の再現率においてより高い精度を達成し, 既提案手法よりも有効な手法であることを確認した.

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