自然言語処理
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日本語発話文における敬語の誤用を指摘するシステムの開発
白土 保丸元 聡子村田 真樹井佐原 均
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2006 年 13 巻 3 号 p. 243-260

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抄録

現代の日本社会において, 日本語の敬語に関する様々な誤用が指摘されてきている. 日本社会における敬語の誤用は, 言語によるコミュニケーションを通じた社会的人間関係の構築を妨げる場合がある.敬語の誤用を避けるには, 敬語の規範に関する正しい知識の習得が不可欠である.このような知識習得を効率的に行うため, 敬語学習を支援する計算機システムの実現が期待される.このような背景の下, 我々は日本語発話文に含まれる語形上の誤用, 及び運用上の誤用を指摘するシステムを開発した.本システムは, 日本語発話文, 及び発話内容に関係する人物間の上下関係を表すラベルを入力とし, 入力された日本語発話文における誤用の有無, 及び誤用が含まれる場合にはその箇所と種類を出力する.発話に関わる人数は最大4名まで取り扱うことができる.正例, 及び負例を用いた実験によってシステムの妥当性を検証したところ, 一部のケースを除き, 本システムが妥当な出力を行うことが確認された.本システムは, 特に敬語の初学者に対する学習支援システムとして有用と考えられるが, その他の人々にとっても, 文書作成における敬語の語形のケアレスミスをチェックする等の用途として幅広く活用できると考えられる.

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