抄録
本論文では対訳文アラインメントの全体的な整合性を評価する新たな基準を提案する. この手法は係り受けタイプによる木構造上での距離や, 距離スコア関数などの統計的な素性に基づいている. また依存構造木を元にしたアラインメント手法であるため, 両言語間の言語構造の違いを適切に吸収することが可能である. さらに本手法により, 複数見つかる対応候補の中から適切なものを選択することも可能である. 日英新聞記事コーパスでのアラインメント実験により, 本手法によるアラインメント精度は他の言語構造の近い言語対での精度と遜色ないことが示された.