自然言語処理
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文体と難易度を制御可能な日本語機能表現の言い換え
松吉 俊佐藤 理史
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2008 年 15 巻 2 号 p. 75-99

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抄録
日本語には, 「にたいして」や「なければならない」に代表されるような, 複数の形態素からなっているが, 全体として1つの機能語のように働く複合辞が多く存在する. われわれは, 機能語と複合辞を合わせて機能表現と呼ぶ. 本論文では, 形態階層構造と意味階層構造を持つ機能表現辞書を用いることにより, 文体と難易度を制御しつつ, 日本語機能表現を言い換える手法を提案する. ほとんどの機能表現は, 多くの形態的異形を持ち, それぞれの異形は, その文体として, 常体, 敬体, 口語体, 堅い文体のいずれかをとる. 1つの文章においては, 原則として, 一貫して1つの文体を使い続けなければならないため, 機能表現を言い換える際には, 文体を制御する必要がある. また, 文章読解支援二などの応用においては, 難易度の制御は必須である. 実装した言い換えシステムは, オープンテストにおいて, 入力文節の79% (496/628) に対して, 適切な代替表現を生成した.
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