自然言語処理
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日本語の終助詞の機能
「よ」「ね」「な」を中心として
中川 裕志小野 晋
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1996 年 3 巻 2 号 p. 3-18

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抄録

終助詞「よ」「ね」「な」は, 書き言葉の文には殆んど用いられないが, 日常会話において頻繁に使われており, 文全体の解釈に及ぼす影響が大きい. そのため, 機械による会話理解には, 終助詞の機能の研究は不可欠である. 本論文では, 代表的な終助詞「よ」「ね」「な」について, 階層的記憶モデルによる終助詞の機能を提案する. まず, 終助詞「よ」の機能は, 文の表す命題が発話以前に記憶中のある階層に存在することを表すことである. 次に, 終助詞「ね」「な」の機能は, 文の表す命題を記憶中に保存する処理をモニターすることである. 本稿で提案する機能は, 従来の終助詞の機能が説明してきた終助詞「よ」「ね」「な」の用法を全て説明できるだけでなく, 従来のものでは説明できなかった終助詞の用法を説明できる.

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