自然言語処理
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3 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中村 順一
    1996 年 3 巻 2 号 p. 1
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
  • 「よ」「ね」「な」を中心として
    中川 裕志, 小野 晋
    1996 年 3 巻 2 号 p. 3-18
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    終助詞「よ」「ね」「な」は, 書き言葉の文には殆んど用いられないが, 日常会話において頻繁に使われており, 文全体の解釈に及ぼす影響が大きい. そのため, 機械による会話理解には, 終助詞の機能の研究は不可欠である. 本論文では, 代表的な終助詞「よ」「ね」「な」について, 階層的記憶モデルによる終助詞の機能を提案する. まず, 終助詞「よ」の機能は, 文の表す命題が発話以前に記憶中のある階層に存在することを表すことである. 次に, 終助詞「ね」「な」の機能は, 文の表す命題を記憶中に保存する処理をモニターすることである. 本稿で提案する機能は, 従来の終助詞の機能が説明してきた終助詞「よ」「ね」「な」の用法を全て説明できるだけでなく, 従来のものでは説明できなかった終助詞の用法を説明できる.
  • 佐藤 理史, 佐藤 円
    1996 年 3 巻 2 号 p. 19-32
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    本稿では, fj. wantedのダイジェストの自動生成を実現する方法について述べる. その中心技術は, ニュース記事からのサマリ抽出法である. この方法は, 言わば「斜め読みを模擬した処理」であり, まず, 表層的な表現を手がかりとして, 42の特徴を抽出し, それらの特徴を用いて, 記事のサマリ (カテゴリとサマリ文) を抽出する. ブラインドデータに対する実験において, 本方法は, カテゴリ判定正解率81%, サマリ文抽出正解率76%という値を示した. 抽出されたサマリはカテゴリ毎に整理され, HTML形式のダイジェストとして出力される. このとき, 元の記事へのポインタは, ハイパーテキストのリンクとして埋め込まれる. 作成されたダイジェストは, WWWのクライアントプログラムによって読むことができる.
  • 電子本「漱石と倫敦」考を作る
    安永 尚志
    1996 年 3 巻 2 号 p. 33-56
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    コンピュータを用いて, 文学研究を進めるための検討を行った. これには, 研究過程の中核である研究ファイルの組織化が必要で, そのモデルを定義した. モデルは研究過程で利用され, 生成される様々な情報資源の構造認識による組織化である. モデルの検証のために, 具体的な文学テーマを設定し, その実装を行い, 評価した. その試みとして電子本「漱石と倫敦」考の研究開発を進めている. 研究者による評価実験では, 概して評判がよい. 例えば, 漱石の作品倫敦塔を読む場合に, 各種参照情報を随時に利用できること, メモなどを自由に書き込むことができ, 自分の研究環境の整備がコンピュータ上で可能であることが評価されている. さらに, モデルは実際の文学研究に有効であること, とくに教育用ツールとして効果的であるとの評価が得られた.
  • 中川 裕志
    1996 年 3 巻 2 号 p. 57-72
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    日本語においては主語が頻繁に省略されるため, 省略された主語すなわちゼロ主語の指示対象同定が重要である. 複文は従属節と主節からなるので, 主節主語と従属節主語がある. したがって, 複文の理解に不可欠なゼロ主語の指示対象同定の問題は, 2段階に分けて考えるべきである. 第一の段階では, 主節主語と従属節主語が同じ指示対象を持つかどうか, すなわち共参照関係にあるかどうかの分析である. 第二の段階では, 第一段階で得られた共参照関係を利用して, 実際のゼロ主語の指示対象同定を行なう。このうち, 第一の共参照関係の有無は, 複文のゼロ主語の扱いにおいて固有の問題であり, 本論文ではこの第一の問題について主として小説に現れるノデ, カラで接続される順接複文について分析した. 分析は, 主節および従属節の述語の意味をIPAの動詞形容詞辞書の分類に従って分類し, 各々の述語がどのような分類の場合において共参照するかしないかを調べた. この結果, 共参照関係の同定に有力であるいくつかのデフォールト規則を見い出した.
  • 兵藤 安昭, 河田 実成, 応 江黔, 池田 尚志
    1996 年 3 巻 2 号 p. 73-88
    発行日: 1996/04/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    本論文では, まず, 表層的情報のみを用いて安定的・高精度に構文解析を行う骨格構造解析の方法について述べる. 次に, これを用いて行った8万用例文に対する構文付きコーパスの作成について触れ, 骨格構造解析の有効性について述べる. さらに, この構文付きコーパスを対象として構築した類似用例検索システムについて述べる. 本システムは, (1) 構文的制約 (係り受け構造) を指定して検索できるので, 単語レベルの検索では検索されてしまうような多くの不適切な用例を絞り込むことができる (2) 分類語彙表を利用した意味コード化により, 類似用例の検索も可能である (3) インデックスに構文情報を含めることにより, 高速な構造検索を実現している (4) ユーザはウインドウ上で, 三角表を用いた構文構造のブラウジング検索パターンの指定などができ, 使いやすいインタフェースを実現している, などの特徴がある.
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