自然言語処理
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音声対話システムのための対話の認知プロセスモデル
荒木 雅弘堂下 修司
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1999 年 6 巻 4 号 p. 23-44

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抄録
本稿では, 音声を用いて人間と機械が対話をする際の対話過程を, 認知プロセスとしてとらえたモデルを提案する. 対話システムをインタラクティブに動作させるためには, 発話理解から応答生成までを段階的に管理する発話理解・生成機構と, 発話列をセグメント化し, 焦点および意図と関連付けて構造的にとらえる対話管理機構とが必要である. さらに, 入力に音声を用いた音声対話システムでは, 音声の誤認識によるエラーを扱う機構を組み込む必要がある. 本稿で提案するモデルは, 発話理解・生成機構における各段階での処理を具体化し, それらと対話管理機構とのやりとりを規定することによる統合的な認知プロセスモデルとなっている. それらの処理の中に, 音声の誤認識によって生じ得るエラーを具体的に記述し, その対処法を網羅的に記述している. このモデルを実装することによって, ある程度のエラーにも対処できる協調的な音声対話システムの実現が期待できる.
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