自然言語処理
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頑健な英日機械翻訳システム実現のための原文自動前編集
吉見 毅彦佐田 いち子福持 陽士
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2000 年 7 巻 4 号 p. 99-117

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抄録

本稿では, 従来の機械翻訳システムの構文解析能力を越える倒置や挿入などを含む文に対して頑健な処理を実現するための一手法として, 形態素解析と簡単な構文解析によって得られる情報に基づいて原文を書き換える自動前編集手法を示す. 原文書き換え系を既存システムに追加することによって, 1) より品質の高い翻訳がシステムの既存部分にほとんど変更を加えることなく得られるようになるだけでなく, 2) 構文解析の負担が減少するためシステム全体としての効率化が実現できる. 実際, 提案手法を我々の英日機械翻訳システムPower E/Jに組み込み, 新聞記事を対象として実験を行なったところ, 1) 書き換え規則が適用された330文の78.8%にあたる260文の翻訳品質が改善され, 2) 書き換えを行なった場合の翻訳速度は行なわない場合の速度の1.12倍になった.

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