自然言語処理
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常識的判断のための概念間の関連度評価モデル
渡部 広一河岡 司
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2001 年 8 巻 2 号 p. 39-54

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抄録
コンピュータに人間のような常識的判断を行わせるための主要素は, 概念ベースおよび概念間の関連性に基づく概念連鎖機能であると考えられる. 概念ベースは, 自動学習などにより恒常的に拡張・精錬を行わなければならないために, その構造はできるだけ単純なものが望ましい. 本論文では, 概念間の関連度を評価するための新しい手法を提案している. 従来の手法では, 概念はその1次属性のベクトルモデルとして表現され, 関連度はベクトル間の内積により求められている. そのような従来手法では, 各1次属性をカテゴリーに変換しなければならないためシソーラスなどのカテゴリーデータベースが必要となる. 提案手法では, 関連度をカテゴリーを利用せず概念連鎖により求めている. 約4万の概念よりなる概念ベースを用いた実験により, 提案手法はベクトル内積を用いる方法に比べ正解率の面でやや優れる上に, 概念知識の追加/変更が容易で利用を通じての質の向上が図れることを示した.
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