科学技術社会論研究
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短報
ワークショップを利用したプログラミング教育における創造力可視化の検討
藤堂 健世江間 有沙
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2018 年 16 巻 p. 81-95

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抄録

 現在,IT人材育成とそれに伴う「創造性」の習得が幅広い年齢層に求められている.本研究では,「プログラミング教育」で育む創造力を「タスクわけワークショップ」の作業を用いて可視化できるか検討した.中学生,人工知能学会全国大会学生企画セッションの参加者,大学院生を対象にしてワークショップを行った.そのタスクわけ作業の結果を,①タスクの増え方の特徴,②集団ごとのタスクわけの特徴,③感想文の読み取りの3点から分析した.その結果,特に中学生は「経験からタスクを広げる」能力が他の集団に比べて低いことがわかった.またすべての集団において,タスクを構成しているサブタスクに分割する力が同程度であることが読み取れた.このように,タスクわけ作業の分析をすることで各グループの持っている創造力を可視化することができた.これらの知見を利用し,プログラミング的思考に必要な創造力の可視化を行うことで,児童・生徒の主体的な学びにつながることを示唆した.

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© 2018 科学技術社会論学会
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