日本神経回路学会誌
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ニューラルネットワークの感度の理論保証付き制御とその応用
木下 佑利
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2024 年 31 巻 4 号 p. 198-208

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抄録

ニューラルネットワークは現在様々な分野でその能力を遺憾なく発揮している一方,動作の背後にあるメカニズムはまだ十分に解明されていない.この根本的な課題に取り組むため,いくつかの特性を制限・操作することで安全性・制御性・解釈可能性の改良と新しい知見の獲得が試みられてきた.特に最近は「感度」の概念が多くの分野で有益な帰納的バイアスとして認識されてきている.そこで本稿では,前半で変分自己符号化器のデコーダーの最小感度が事後確率分布崩壊を制御できることを紹介し,後半で最小・最大感度を同時に扱えるBi-Lipschitz Neural Networkに関する研究を説明する.最近の研究の解説を通して,特定の性質の制御の恩恵と実装方法を理論的に保証するアプローチの意義や有用性について取り上げる.

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© 2024 日本神経回路学会
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