日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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最新号
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巻頭言
特別寄稿
祝辞
解説
  • 島崎 秀昭
    2025 年32 巻4 号 p. 189-203
    発行日: 2025/12/05
    公開日: 2026/01/05
    ジャーナル フリー

    本稿は,甘利俊一先生の情報幾何および連想記憶モデルに導かれた筆者の「神経活動の高次相関」の研究の歩みを紹介する.指数型分布族による神経活動モデリングから出発した本研究は,予期せぬ発見に導かれた.当初想定したセルアセンブリ的同期活動とは対照的に,実際の神経活動では符号が交替する高次相関(2次正・3次負・4次正…)が観察され,神経集団のスパース活動を特徴づけていることが示された.この集団スパース性が神経細胞の閾値非線形性から普遍的に生じることが次第に解明され,スパースかつ幅広い活動を実現する生物の神経細胞の高次相関と現代的連想記憶モデルとの接点も浮かび上がってきた.さらに,神経細胞の非線形応答・高次相関・エントロピー/ダイバージェンスが深く結びついた統一的枠組みが,情報幾何に基づく「曲がったニューラルネットワーク」の提案によって確立された.甘利先生の視座に導かれた本研究は,外界に適応した効率的な非線形処理を自然に扱える統計モデル・空間の探究へと発展し,神経符号化および記憶機構理解に新たな地平を拓きつつある.

  • 大泉 匡史
    2025 年32 巻4 号 p. 204-215
    発行日: 2025/12/05
    公開日: 2026/01/05
    ジャーナル フリー

    本稿では,情報幾何学を使って,情報の統合を定量化するという研究に関して解説する.情報の統合といっても色々な定義があり得るが,元々は意識の統合情報理論と呼ばれる理論において提案された尺度を出発点としている.これを出発点としつつも,情報幾何学を用いて様々な情報量の尺度を統一的に導出する理論的枠組を導入し,新しい定式化を導く.導出の鍵となるのは,情報幾何学における射影定理である.本稿ではまず,情報幾何学に馴染みのない方に向けて射影定理の一般的な解説を行う.そして,射影定理を用いることで,統合情報量だけでなく,相互情報量,Transferエントロピー(Granger因果性)等の関連する尺度を全て,部分多様体への射影として統一的に導出できることを紹介する.

  • 松田 孟留
    2025 年32 巻4 号 p. 216-225
    発行日: 2025/12/05
    公開日: 2026/01/05
    ジャーナル フリー

    情報幾何は,確率分布の集合の幾何構造をもとに情報処理の原理を解明する学問である.これまでに,Fisher情報量とKullback--Leiblerダイバージェンスに基づいた双対平坦構造を通して,統計的推論に関する見通しの良い理解が得られてきた.一方で,確率分布間の最適輸送コストによって定義されるWasserstein距離が近年さまざまな分野で活用されている.本稿では,Wasserstein距離に基づいた統計的推論や情報幾何に関する最近の進展を紹介する.

報告
会報
編集後記
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