日本口腔保健学雑誌
Online ISSN : 2434-7116
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調査研究
N短期大学専攻科修了生の周術期等の口腔機能管理に関する知識と学習経験の検討
長崎 優花合場 千佳子
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2021 年 11 巻 1 号 p. 80-86

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抄録

 平成30年度の歯科診療報酬改定において,周術期等口腔機能管理の目的が示され,対象患者の適応が拡大されたことにより,周術期等口腔機能管理のニーズはますます高まってきている.本研究は,日本歯科大学東京短期大学歯科衛生学専攻科修了の歯科衛生士105名を対象に,Googleフォームを用いた無記名自己入力式の質問紙調査を行い,周術期等口腔機能管理に関する知識と学習経験の関係を明らかにすることを目的とした.

 調査の結果から,専攻科在学時に周術期等の口腔機能管理に関する講義を受けた者が67名 (72.8%),受けていない者が25名(27.2%)であった.修了年別にみると,6回生(2015年3月卒)以降は全員が講義を受けたと回答していることから,本学専攻科では,2014年度から周術期に関する教育が取り入れられていた.講義の内容として,口腔機能管理の目的や実施内容が62名(92.5%),歯科衛生士の役割が62名(92.5%),多職種連携が60名(89.6%)で上位に選択されていた.また,知識と学習経験の関連では,専攻科在学時に周術期等の口腔機能管理に関する講義を受けた者と受けていない者両者の選択した内容がほぼ同じであったことから,専攻科在学時に講義を受けていない者であっても周術期に関する知識を習得していることが示された.さらに,9割以上が歯科衛生士において,周術期に関する教育が必要であると考えていた.

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© 2021 日本歯科大学東京短期大学
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