抄録
本研究は,可視化を特徴とする骨盤底筋体操のアニメーション指導媒体の開発と有用性の検討を目的とした.女性の骨盤底筋体操時の骨盤内を縦型オープン磁気共鳴画像撮影装置にて撮影し,撮影した画像を繋げて動画にした.さらにこの動画をアニメーション化して指導媒体とした.産後女性5名を対象者に,開発した指導媒体にて骨盤底筋体操の介入を3ヵ月間行い,介入前後の骨盤底筋力トレーナーによる最大収縮力,最大収縮時間,総合スコア,エコーによる骨盤底挙上量を骨盤底筋力とし,その変化と媒体使用の感想を評価した.結果,最大収縮力,最大収縮時間,総合スコアの項目では全員が上昇し,骨盤底挙上量では4名が上昇した.結論として,開発した可視化を特徴とする骨盤底筋体操のアニメーション指導媒体は有用性があることが示唆された.
【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→産後女性の多くが骨盤底筋体操をむずかしいと感じている.そこで,体操が容易に理解でき,骨盤底筋力の強化が期待できる骨盤内の可視化を特徴とするアニメーション指導媒体の開発を試みた.
2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 開発した指導媒体は,実験結果の検討において有用性が示された.今後,産後ケアツールとしての活用や将来的にはデジタルヘルスとして貢献できる可能性がある.
3.今後どのような技術が必要になるのか?
→アラームや音声ガイド,体操履歴,評価機能などを塔載したアプリケーションにバージョンアップする必要がある.