2020 年 7 巻 p. 33-42
本論文では,左膝関節障害を模擬した場合の歩行変化を分析する.健常被験者が膝関節を固定する装具を装着することで障害歩行を模擬し,通常歩行と障害歩行を比較することで関節障害に伴う歩行変化を分析する.本研究では,2つの要因,バランスとキネマティクスに着目する.バランス分析では,margin of stability(MoS)を用いる.キネマティクス分析では,各部位の姿勢を計算し,通常歩行と障害歩行の違いを比較する.分析結果より,(1)装具装着(模擬関節障害)による影響は胴・腰に多くみられること,(2)腕振りへの影響は突発的なバランス変化の際に限られること,(3)頭部の変化は小さいことが分かった.