看護理工学会誌
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速報
ロボットもしくは介助による起立前後の心拍数の変動および自律神経指標の変化
浅野 美礼
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2020 年 8 巻 p. 11-27

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抄録

 起立を介助する方法の違いが血圧と自律神経活動にどのような影響をもたらすのか調べることを目的とした.健康な11人の若年者と14人の高齢者に椅子から①通常の能動的起立,②他者の全介助による起立,③パワーアシストロボット(HAL)装着での起立をしてもらい,起立前後の血圧と心拍数を記録した.心拍数の変動から高速フーリエ変換で求めたパワースペクトルの低周波と高周波の成分を用いて,自律神経活動の指標とした.平均血圧の変動に年齢あるいは起立方法による差はなく,周波数成分の変動は交感神経活動の上昇を示し,起立性低血圧を防いでいると考えられた.高齢者の心拍変動係数は,安静時には若年者より小さいが起立後には差がなくなり,起立前後の血圧や自律神経指標の変動を説明できなかった. HALによる起立は従来の起立介助の方法と比較したとき循環動態の面で有利な可能性があると考えられた.

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