看護理工学会誌
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Print ISSN : 2188-4323
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原著
血液透析患者の針穿刺痛軽減用冷却パッドの前腕皮膚冷却効果の検証
苗村 潔
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2022 年 9 巻 p. 117-122

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抄録
 血液透析患者の身体的ストレスとなっている針穿刺痛を軽減するために,穿刺部位を冷却するパッドを試作し,熱伝導率が皮膚に近いポリエチレン板上と健常成人8名の左前腕上で評価した.冷却パッドは,直径1mm 以下の粒状尿素または粉末状尿素をコットンシート袋に入れた.シリンジとリニアアクチュエータを用い,0.5 mL/s の一定速度で水を 滴下した.冷却効果の個人差を考察するため,冷却パッドを貼付した位置の皮静脈までの皮下組織厚を超音波画像診断装置で測定した.皮膚温25℃以下を穿刺痛軽減の目安として,25℃以下に下がるまでの時間と,25℃以下を持続する時間の平均値を比較した.25℃以下に下がるまでに,粉末状尿素が7s,粒状尿素は17s 要した.持続時間は390s 以上であった.皮静脈までの皮下組織厚から算出した温度勾配は熱流束と正の相関(r2=0.84)が,初期の皮膚温は25℃以下を持続する時間と負の相関(r2=0.62)が高かった.

【キーメッセージ】
1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?
  研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?
→ 透析看護でバスキュラーアクセスへ穿刺する際に生じる穿刺痛を軽減する方法.
臨床工学科で臨床実習後の学生も研究の必要性を感じていて,ニーズが明確なため.

2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?
→ 穿刺痛の軽減は患者および穿刺する看護師,臨床工学技士のストレスを低減することが可能になる.

3.今後どのような技術が必要になるのか?
→水と尿素を1つのパッケージに収め,安価に大量生産するための技術.
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