有機農業研究
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Print ISSN : 1884-5665
【総説】
有機農業の現段階と経営・経済学的研究の諸課題
胡 柏
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2015 年 7 巻 1 号 p. 18-26

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抄録

本稿は,現段階における有機農業の成果と問題点を国内外の状況を踏まえて整理し,有機農業推進の条件やそのために経営・経済学的研究分野においてさらに調査研究しなければならない課題を提示することを目的とする.

有機農業推進法が制定されてからのこの10年間において,関連法制度の整備が急速に進められ,各種の試験研究事業,普及現場における体制整備の動きも見られるようになった.有機農業の取組は農林行政や生産現場に限らず,市民社会の環境意識や食と農に関する意識を大きく変えることとなった.しかしその一方,取組実績はまだ少ない.欧州先行国・地域に比べて消費者1人当たり有機食品支出額が少なく,有機農業の拡大に必要不可欠な市場駆動力が十分得られていないのが大きな課題である.

有機農業を確実に前進させるためには,こうした市場駆動力の弱さをもたらす要因を市場と生産構造の両面から解明し,効果的な推進策づくりにつなげていく必要がある.

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© 2015 日本有機農業学会
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