2017 年 9 巻 2 号 p. 43-47
舎飼条件下での薩摩黒鴨TM(Satsuma Black Aigamo duckTM:以下,SBA)の産肉性を南九州のアイガモ農法で広く使用されている薩摩鴨TM(Satsuma Aigamo duckTM:以下,SA)との比較から明らかにした.17週齢時の体重はSAで1,954gおよびSBAで3,114gとなり,両者の間に有意差が認められた(P<0.05).飼料要求率はSAに比べ,SBAで低かった.解体時のムネ肉重量はSBAで671gとなり,SAの363gに比べ,有意に大きかった(P<0.05).ムネ肉の官能評価では,うま味でSBAがSAに比べ,劣っていた(P<0.05)ものの,他の項目に両者で差がみられなかった.ムネ肉中のグルタミン酸含量はSBAで7.1mg/100gとなり,SAの10.5mg/100gに比べ,有意に低く(P<0.05),官能評価の結果を裏付けるものであった.以上より,SBAはムネ肉のうま味ではSAに劣るものの,高い産肉能力(肉量や飼料利用性)を有しており,アイガモ農法における新たな肉用アイガモになり得る可能性が示された.