日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
増殖性天疱瘡の2例
佐藤 詩穂里, 青笹 尚彦, 中村 晃一郎, 常深 祐一郎
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2026 年 43 巻 4 号 p. 548-554

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抄録
症例1:56歳,女性.口唇や鼡径部,足趾に紅斑やびらんが出現し,拡大して扁平に隆起する褐色局面となった.症例2:36歳,女性.臍部に紅斑が出現し,その後,口唇周囲と外陰部に水疱やびらんが出現し,灰白色隆起性局面となった.いずれも病理組織では好酸球が主体の表皮内膿疱があり,基底層直上の裂隙と棘融解がみられた.蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGの沈着がみられ,蛍光抗体間接法で抗表皮細胞間IgG抗体が検出された.また血清中の抗デスモグレイン(Dsg)1抗体や抗Dsg3抗体価が上昇していた.増殖性天疱瘡と診断し,プレドニゾロン1 mg/kg/dayを開始し,皮疹は速やかに改善した.腋窩や鼡径,外陰部などの間擦部や口腔内などの水疱や膿疱で始まり,次第に増殖して隆起する特徴的な皮疹では,増殖性天疱瘡を想起し,病理組織検査と同時に蛍光抗体直接法及び間接法と血清中の抗体の検索を行うべきである.
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