背景:国民健康栄養調査によると,Body Mass Index (BMI) 18.5 kg/m2 未満の低体重者の割合が,20 歳代の女性では増加している.母親の低体重は出生時低体重児や早産のリスクが増加し,低出生体重児は将来生活習慣病リスクが高くなる.またコホート研究により,BMI が20.0 ~ 25.0 kg/m2 で死亡リスクが最低で,BMI 20.0 kg/m2 未満の低体重では死亡リスクが増大することが示された.
目的:BMI 20.0 kg/m2 をカットオフ値として食後血糖値と血漿インスリン推移を調べた.
方法:健康な若年女性を対象に米飯食のおにぎりを摂取させ,食後血糖値と血漿インスリン推移を調べ,BMI 20.0 kg/m2 未満の低体重群とBMI 20.0 kg/m2 以上群で比較した.
結果:BMI 20.0 kg/m2 未満の低体重群の食後30 分血糖値と60 分血糖値がBMI 20.0 kg/m2以上群の血糖値より有意に高かったが,血漿インスリンに有意差は認められなかった.
結論:健康な若年女性を対象に米飯食のおにぎりを摂取させた結果,BMI 20.0 kg/m2 未満の低体重群の食後1 時間血糖値が有意に高く,低体重の若年女性では生活習慣病のリスクが懸念された.