2022 年 52 巻 2 号 p. 87-93
目的:冷え症者と非冷え症者における熱産生の差が,冷え症のメカニズムの一因であることを明らかにすること.
方法:健常成人男女を対象に鼓膜温と母趾温の差が6 ℃以上の者を冷え症群(男性6 名,女性11 名),6 ℃未満の者を非冷え症群(男性6 名,女性10 名)とし,心拍数・血圧・鼓膜温・右母趾温・前額部と右母趾の皮膚血流量・副交感神経活動指標(HF)・交感神経活動指標(LF/HF)および熱産生に関する指標として筋肉総量・骨格筋量について男女別に群間比較した.
結果:男性冷え症群はLF/HF が有意に高く,女性冷え症群はHF が有意に低かった.筋肉総量および骨格筋量は,統計学的有意差は認めないものの,男女ともに冷え症群の平均値は非冷え症群の平均値よりも低値を示した.
結論:冷え症者は交感神経を介した末梢皮膚血流量の減少が認められるが,その背景には非冷え症者と比べて筋肉量が少なく,熱産生が低いことが示唆された.