2022 年 52 巻 5 号 p. 181-185
目的: 高齢者の機能訓練特化型リハビリテーションを1 年間継続した効果について,コントロールされた基礎疾患によって差異がみられるかを検討した.
方法: 対象は内科疾患25 名,脳血管疾患16 名,整形外科疾患35 名に分類した計76 名とし,機能訓練特化型リハビリテーションは3.5 時間のプログラムを週2 回実施した.利用開始時と1 年後に四肢骨格筋量,歩行速度,TUG,握力を測定した.
結果: 四肢骨格筋量は内科疾患で増加傾向,整形外科疾患では有意に増加し,脳血管疾患では減少傾向であった.5 m歩行速度は内科疾患,整形外科疾患は有意に速くなり,脳血管疾患では不変であった.TUG は内科疾患,整形外科疾患では有意に短縮し,脳血管疾患は短縮傾向であった.握力はいずれの疾患でも不変であった.
結論: 機能訓練特化型リハビリテーションの運動効果を疾患別に評価すると,内科疾患や整形外科疾患では改善度が高かったが,後遺症を有する脳血管疾患では低かった.