日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
原著
機能訓練特化型リハビリテーション1 年間の効果
―基礎疾患による差異―
南條 貴俊岩坂 壽二水野 智志水野 一秀山内 康雄澤田 清菅 俊光水野 郁子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 52 巻 5 号 p. 181-185

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抄録

 目的: 高齢者の機能訓練特化型リハビリテーションを1 年間継続した効果について,コントロールされた基礎疾患によって差異がみられるかを検討した.

 方法: 対象は内科疾患25 名,脳血管疾患16 名,整形外科疾患35 名に分類した計76 名とし,機能訓練特化型リハビリテーションは3.5 時間のプログラムを週2 回実施した.利用開始時と1 年後に四肢骨格筋量,歩行速度,TUG,握力を測定した.

 結果: 四肢骨格筋量は内科疾患で増加傾向,整形外科疾患では有意に増加し,脳血管疾患では減少傾向であった.5 m歩行速度は内科疾患,整形外科疾患は有意に速くなり,脳血管疾患では不変であった.TUG は内科疾患,整形外科疾患では有意に短縮し,脳血管疾患は短縮傾向であった.握力はいずれの疾患でも不変であった.

 結論: 機能訓練特化型リハビリテーションの運動効果を疾患別に評価すると,内科疾患や整形外科疾患では改善度が高かったが,後遺症を有する脳血管疾患では低かった.

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© 2022 日本臨床生理学会
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