2025 年 4 巻 2 号 p. 63-69
【目的】本研究の目的は,微弱電流電気刺激(Microcurrent electrical stimulation:MES)が筋挫傷後の筋の回復に及ぼす影響について組織学的に検証することである。【方法】対象は10週齢のWistar系雌ラット24匹とし,Weight Drop法を用いてすべてのラットの左腓腹筋に筋挫傷を作製した。そして自然治癒させる非介入群と,筋挫傷後翌日より毎日30分間,MESで治療するMES群にそれぞれ12匹ずつ分け,さらに筋挫傷後4日目と7日目の組織採取に合わせて各群6匹ずつに分けた。挫傷後4日目,7日目に組織を採取し,組織観察を行い,7日目の組織像においては一定領域内の再生筋線維数を測定して2群間で比較した。【結果】筋挫傷後4日目の組織像ではMES群において筋束間の拡大が観察され,筋挫傷後7日目の一定領域内における再生筋線維数は,非介入群で45.0±12.8個,MES群で67.4±11.7個となり,MES群で有意に多くなった。【結論】筋挫傷後,早期からMESを実施することで筋の再生を促進する可能性がある。