論文ID: 202203
【⽬的】変形性股関節症(以下,股OA)⼿術療法後患者の歩⾏異常性に関し,観察評価の内容的妥当性を得た上で,三次元動作解析データを⽤いた基準関連妥当性の検証を⽬的とした。【⽅法】歩⾏異常性の項⽬プールを作成し,観察評価に関する評定を三件法とした。内容的妥当性は股OA の有識者4 名から意⾒を得て精査した。基準関連妥当性は三次元動作解析データを外的基準として検討した。【結果】内容的妥当性を得た観察評価項⽬は7 項⽬であった。基準関連妥当性は「項⽬Ⅰ:踵接地時の⾜部の状態(⾜関節⾓)」,「項⽬Ⅲ:⽴脚中期の体幹の状態(側⽅移動の対称性)」,「項⽬Ⅴ:患側⽴脚中期の股関節の状態(股関節内転⾓)」,「項⽬Ⅵ:患側踵離地時の股関節の状態(股関節伸展⾓)」の4 項⽬で⽀持された。【結論】股OA ⼿術療法後の歩⾏異常性に関する4 つの観察評価項⽬は,基準関連妥当性を有し臨床現場で使⽤できる可能性がある。