産業医学
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血清γ-GTPの健康診断学的研究
近藤 東郎橋田 学百渓 浩
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1976 年 18 巻 2 号 p. 95-101

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抄録
γ-GTPは肝・胆道疾患の診断酵素として, 近年注目されてきた.著者らは, この酵素の健康診断学的有用性を考慮して, 飲酒歴, 体重などとの関連性および活性値の正常範囲について検討し, 次のごとき成績をえた.
1) 血清γ-GTP活性値増加への影響は, 体重に比して飲酒量において大である.
2) 事務職場における成人病健診飲酒正常者147例の血清γ-GTP活性値の95%信頼限界は, 102 mU/mlであった.
3) また非飲酒正常者70例の血清γ-GTP活性値の99%信頼限界は, 49 mU/mlであった.
4) 血清γ-GTP活性値の測定は, 飲酒者の健康状態の把握と指導に関して, 成人病健診の重要項目と考えられる.
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© 社団法人 日本産業衛生学会
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