産業医学
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硫化水素, メチルメルカプタン, 硫化メチル, トリメチルアミン, アンモニアの吸着除去剤とその特性について
三好 保棚田 成紀坊木 佳人
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1977 年 19 巻 1 号 p. 2-7

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抄録
硫化水素, メチルメルカプタン, 硫化メチル, トリメチルアミン, アンモニアを乾式法によって除去するための最適な吸着剤を見いだすため, 13種吸着剤 (ケイ酸塩5種類, 活性炭4種類, ゼオライト4種類) を用い, スプリングバランスを具備した吸着装置によって重量法により, 30℃, 50 Torrの条件下で吸着実験を行なった.さらに, これらの吸着剤に対するそれぞれのガスの吸着機構を究明する目的で, 吸着量と表面極性あるいは細孔構造との関係について, 表面pH, 細孔分布曲線, ガスの分子断面積の結果に基づいて検討した.
分子断面積が17Å2より大きなメチルメルカプタン, 硫化メチル, トリメチルアミンに最適な吸着剤は, 13種吸着剤の中で, 活性炭No. 6, No. 7であった.一方, 17Å2より小さな硫化水素とアンモニアにはゼオライトNo. 12, No. 13が最適な吸着剤であった.それぞれの吸着剤に対するこれらのガス吸着量 (mmol/cm2) は吸着剤の表面極性よりもむしろ細孔構造によって支配されることが判明した.
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© 社団法人 日本産業衛生学会
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