情報界での著作権問題を争って行われた裁判の判決を拾って, 解説を試みた。法律上の観点ではなく, 情報側から見て, これら判例をどう考えるかに視点をおいている。著作権問題は対象がとらえにくいだけに, 論理が先行して, 実際を正確に認識しているかどうかに不安があり, 損害の程度も立証し難いし, 逆に訴えの利益についても不明のことが多い。ここに, 索引・抄録・家庭内録画および貸レコードについて, 米国の判例を主として紹介した。いずれも公正使用が判決の主たる理由となっているが, 情報事業と社会とのすりあわせに種々の問題を提起していると思われる。