この4月で『情報管理』は55巻目を迎えました。情報という流れの速い世界の中で発行し続けてこられたのも読者の皆様およびご執筆下さった多くの方々のお陰であり，改めて御礼申し上げます。
今年度は，私共にとって，長年にわたってご愛用いただいてきた文献情報サービスであるJDream，1976年に「JOIS」という名称で始まった基幹サービスが，年度末をもって私共の手を離れて民間へ移行するという大きな変革の年になります。JDreamばかりでなく，この55年の間，私共の情報事業では多くのサービスが立ち上がり，また，役割を終えていきました。
こうした年月の中で『情報管理』が続いているのは，知りたいことを知らせ，伝えたいことを伝える，その役割をシンプルに行ってきたからでしょう。ペンが持つ力の強さを改めて感じずにはいられません。
記事の内容はずいぶん様変わりしました。初めて「知的所有」「知的財産」という言葉が本誌に掲載されたのは1994年（37巻7号）です。その後数年間は，年に1記事程度の単発的な扱いでしたが，2001年（44巻）になって一気に増え，今では知的財産は本誌にとって欠かせないジャンルとなりました。今年度も米国特許法改正の影響についてなど取り上げていきます。また，法情報へのアプローチとして「研究者・技術者のためのリーガルリサーチ入門」（仮タイトル）と題した12回の大型連載も予定しています。
電子ジャーナルとしての「情報管理」，という面でも今年度は節目の年です。本誌が掲載されているプラットフォームであるJ-STAGEが本年4月より全面的にリニューアルし，本誌もXMLを採用した電子ジャーナルに変わる予定です。これからの電子ジャーナルでは必須と言われて久しいXMLですが，ようやく実装に至りそうです。せっかくの環境ですから，見た目が変わるだけでなく，例えば，本文中の用語や図表からのリンクを行ったり，動画のコンテンツを入れるなど，電子ジャーナルとしてのメリットを最大限に生かした誌面を作っていきたいと思っています。また，同じく今年度にサービスを開始する「ジャパンリンクセンター」と連携することで，本誌がより多くの方々に読まれ，次世代を見据えた雑誌としての幅が広がることを願っています。
引き続きご愛顧下さいますよう，よろしくお願い申し上げます。
