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学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)」のこれまでとこれから イノベーション創出のための構成型研究をめざして
小林 直人赤松 幹之内藤 耕藤田 茂小野 晃
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2013 年 55 巻 10 号 p. 722-734

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抄録

2008年に第2種基礎研究を中心とした原著論文を掲載する学術誌「Synthesiology(シンセシオロジー)–構成学–」が創刊された。Synthesiology(シンセシオロジー)に掲載される研究論文は,研究開発がめざした目標,それを実現するためのシナリオ,シナリオを実践するための要素技術の選択と統合の方法,研究成果などを明確に述べることが求められている。本稿では,この学術誌がめざした理念や,発刊に至った経緯,発刊の趣旨などを述べた後,実際に掲載された70編の論文を対象にして,構成の方法論を分析した結果を紹介した。全体として,共通の構成方法として,「技術的な構成」とも呼ぶべき方法論が重要であり,さらに研究成果を社会に導入していくためには,「社会導入に向けた構成」と呼ぶものを連続して起こす必要があることが明らかになった。また,今後はさらにシナリオの構成方法とその使用,役割についても詳細に分析を進めていくことの重要性が認識され,これらを含む本学術誌の今後の課題についても言及した。

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© 2013 Japan Science and Technology Agency
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