PLOS ONEについては以前から,発行母体であるPLOSやPLOSが発行する他の雑誌のことと併せて紹介してほしいという要望が寄せられていました。冊子しかない時代に,年間3万本もの記事を掲載する雑誌が想像できたでしょうか。オープンアクセスメガジャーナルと呼ばれるこれらの雑誌がもはや従来の雑誌の枠を超えている,という指摘はもっともだと思います。
EPUB3の解説は2回目です。前回は,村田真氏による国際標準化に焦点を絞った記事で,かつてないほど大量にアクセスしていただきました。今回ご寄稿いただいた高瀬氏は,Matt Garrish氏の『What is EPUB 3?』の翻訳書『EPUB3とは何か?』をオライリー・ジャパン社から電子出版されています。なんとDRMフリーかつ無料です。
データが研究成果物として認められるようになり,また再利用しやすい形でのデータ公開が推進される背景のもと,「データジャーナル」が誕生しました。今号では,Natureから今年刊行されたばかりの「Scientific Data」誌を取り上げます。これも従来の雑誌の枠を超えるオープンアクセスジャーナルです。
「国立国会図書館サーチのメタデータ収録状況」,この標題を見てどんな印象をもたれたでしょうか。メタデータとは,データに関するデータ,狭義には「インターネット上のリソースに関する情報を検索等の目的で記録したデータ」を指します(NDL「メタデータ関連用語集」より)。図書・論文記事に対しては,書誌情報等と考えてもよいでしょう。
検索のために「データに関するデータ」を作成する行為は,図書の目録作成にしろ論文記事の抄録・索引作成にしろ,従来から行ってきたことです。そのルール作りも行われてきました。いまそのルールをLinked Open Dataの時代にふさわしいものへと改訂し,実際に適用する動きが進んでいます。
今号は図らずも,本記事5本のうち4本が電子情報資源に関連した記事となりました。「ファブラボ」のような新たな動きも,併せてお伝えします。ご意見ご感想をお待ちしています。(KM)