2017 年 60 巻 1 号 p. 28-36
国際的な調査である「OECD生徒の学習到達度調査(PISA調査)」の実施方法とデータ公開,さらにデータの利用方法について,筆者の経験から,PISA2015年調査を基に紹介する。はじめにPISA調査の概要を説明する。PISA2015年調査の実施については,特に各国・地域間でどのように比較可能な調査を実現しているか,実施マニュアルの作成,調査実施者研修,第三者評価の観点から詳しく述べる。PISA調査の結果公開と利用については,生データだけでなくアンケート質問調査票や指標の算出方法のドキュメントなど,関連ドキュメントをも公開することが研究データの公開には必要なことを説明し,報告書や関連する書籍の紹介とともに,関連するWebページであるPISA Data Explorerの利用方法について紹介する。