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情報界のトピックス
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60 巻 (2017) 11 号 p. 841-843

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MeSH 2018年版公開

米国国立医学図書館(NLM: National Library of Medicine)の医学用語シソーラスである「MeSH」(Medical Subject Headings:医学件名標目表)2018年版が公開され,11月27日からPubMedでの利用が可能になった。「MeSH Browser」Webサイトでは9月から既に公開されている。MeSHは毎年更新されており,2018年版では,統制語について,474語の追加,7語の削除,106語の更新が行われた。また副標目の削除が1語あった。その結果,MeSHの統制語は合計2万8,939語,副標目は79語となった。MeSH 2018年版はダウンロードも可能。また,入力したテキストに関連するMeSH統制語などを表示するツール「MeSH on Demand」も用意されている。

デジタル情報保存についての共同声明草案公開

デジタル保存ネットワーク(DPN: Digital Preservation Network)は12月11日,デジタル情報保存についての取り組みで協力する10団体で策定した共同声明「Digital Preservation Declaration of Shared Values(デジタル保存に関する共通価値観の声明)」の草案を公表した。Webサイト上で公開し,3月1日までの予定で意見を募集している。宣言では,デジタル保存は人類の行動や記憶の累積的な記録となるものとしたうえで,その推進に向けた取り組みの中心的価値観として,「協働」「費用の手ごろさ」「可用性」「包括性」「多様性」「ポータビリティー/相互運用性」「透明性/情報共有」「説明責任」「管理の継続性」「アドヴォカシー」「能力強化」の11項目を挙げている。同共同声明にはDPNの他,CLOCKSS,ネットワーク情報連合(CNI)などが参加している。DPNは2013年に設立された,デジタル情報の長期保存を目的とするシステムで,既存の大規模な保存リポジトリを「ノード」としてネットワーク化している。

Google,中国にAI研究センター開設

Googleは12月13日,中国に人工知能(AI)研究センターを開設すると発表した。AIの基礎研究に重点を置き,独自の研究成果を発表すると同時に,AI関連の学会やワークショップへの助成や資金援助を行い,中国のAI研究コミュニティーと密接に連携していくとしている。すでにトップクラスの専門家を数名雇用しており,今後数か月で研究チームを立ち上げる予定。発表で同社は,中国にはAIや機械学習で世界トップの専門家が数多くいると指摘。画像認識技術のコンテスト「ImageNet Challenge」で中国チームが過去3年連続で優勝していることや,2015年のTop100のAI学会誌掲載論文の半数近くが中国人著者によるものだったことを紹介している。

「AIファースト」を掲げるGoogleは,すでにニューヨーク,トロント,ロンドン,チューリヒにAI研究センターを設置しており,今回の中国研究センターはアジア初の拠点となる。また,12月14日には,NASAによる太陽系外惑星の発見に,Googleの機械学習システムが貢献したことを明らかにした。ケプラー宇宙望遠鏡で集めた大量の既存データを基に,実際の惑星が作り出す信号パターンを見分けられるテンソルフローモデルを構築。これを使って,2つの新しい太陽系外惑星を発見した。

FCC,ネット中立性規則撤廃を承認

米連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)は,11月にネット中立性規則の撤廃を勧告したことを受け(本欄既報(vol. 60, no. 10)),12月14日に5人の委員による採決を行った結果,与党共和党の3人が賛成し,同規則の廃止が承認された。これによってインターネットサービス提供事業者(ISP)は,系列サービスの配信を優先させたり,ライバルサービスの回線速度を遅くしたりすることが可能になる。FCCの発表文によれば,ISPが特定回線の優先化などを行う際には,顧客やFCCに情報開示する必要がある。この決定について,大手ISPの一つAT&Tは,「われわれは常に,オープンで透明性の高いブロードバンドサービスを提供してきた。今後もWebサイトのブロックや,コンテンツの検閲,コンテンツに基づいた回線速度の低減,トラフィックの不当な差別などは行わない」と発表している。一方,FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ氏は,この決定を「失望させる,有害な決定」だとしたうえで,連邦議会などと協力して闘っていく構えを示した。

音楽教室からの著作権の使用料徴収が一時保留に

音楽教育事業を営む7企業・団体により構成される「音楽教育を守る会」は12月21日,JASRAC(日本音楽著作権協会)による音楽教室からの著作権使用料徴収に関して,文化庁長官宛ての裁定申請を行ったと発表した。同会は2017年6月に,音楽教室でのレッスンは著作権法の「演奏権」の対象外であることの確認を求める訴訟を起こし,2017年7月から,JASRACとの書面・対面による協議を続けてきた。しかし合意に至らなかったため,著作権等管理事業法に基づき,「当該係争の判決が確定するまで,使用料規程の実施を保留すること」を求める裁定申請を行ったとしている。これに対しJASRACは同日,2018年1月1日に予定していた使用料徴収を一時保留すると発表した。裁定申請があった場合には,裁定が下るまで,使用料徴収を実施してはならないという同法規程に基づく措置である。

漢字約6万文字の国際規格化が完了

情報処理推進機構(IPA)は12月25日,文字情報基盤整備事業の下で進めてきた,戸籍などで必要とされる人名や地名等の漢字6万文字の国際規格化が完了したと発表した。これは12月22日,国際標準化機構(ISO)が,文字コード国際規格最新版ISO/IEC 10646(第5版)を発行したことによるもの。1978年に作られた日本初の文字標準規格では,約6,000種の文字コードを定めていたが,人名や地名の表記には不十分だったため,その後,日本工業規格(JIS),住民基本台帳ネットワークシステム,戸籍などの目的別に異なる文字規格が作られてきた。その結果,相互運用性の問題が懸念されたため,IPAは,戸籍や住民基本台帳で必要とされる約6万文字について,その文字フォントの整備を進めるとともに,文字コードの国際規格化を行ってきた。今回のISO/OEC 10646(第5版)では,IPAが提案した漢字のすべてが収録された。これら約6万文字すべてを統一的な文字コードで扱えるようになったことで,システム間の相互運用性が向上する他,個別的な外字作成のコストが解消される。また12月12日には,UnicodeのIVD(漢字字形データベース)の最新版である2017-12-12が発行されており,この約6万文字すべてがUnicodeで識別可能となった。

NII,医療ビッグデータ研究センターを新設

国立情報学研究所(NII)は12月25日,医療ビッグデータ研究センターを新設し,同センターに「医療画像ビッグデータクラウド基盤」を構築すると発表した。日本消化器内視鏡学会,日本病理学会,日本医学放射線学会の3学会との連携で,各学会が大学や病院から収集した匿名化医療画像データを,研究者がこのクラウド基盤上でデータ解析できるようにする。具体的には,収集された医療画像ビッグデータを,人工知能の主要2領域である,機械学習と画像認識を活用して解析する「AI解析」技術を開発する。2017年度中に,各学会が収集・匿名化した医療画像情報の登録を開始する予定であり,日本消化器内視鏡学会から1万件,日本病理学会から11万件,日本医学放射線学会から2万件の登録を目指している。連携学会は今後増える見込み。

「国会図書館オンライン」サービス開始

国立国会図書館は「国立国会図書館蔵書検索・申込システム」(NDL-OPAC)を2017年12月27日で終了し,2018年1月5日に資料の検索・申込サービスを提供する新サービス「国立国会図書館検索・申込オンラインサービス」(略称:国立国会図書館オンライン)を開始した。国立国会図書館オンラインは,同館の利用窓口として検索機能と資料などの申込機能を備える。検索機能では,同館の収集資料の他,デジタルコンテンツ等も検索できる。申込機能では,一般の登録利用者向けの閲覧,取り寄せ閲覧,遠隔複写などのサービスや,公共図書館等向けの貸し出し,複写,レファレンスサービスを提供している。さらに,スマートフォン対応や,英文申込画面なども用意され,初めてでも使いやすいインターフェースを目指している。一方,従来NDL-OPACで提供されていた,MARC形式などによる書誌情報のダウンロード機能は,別の新サービス「国立国会図書館書誌提供サービス」(NDL-Bib)として引き継がれ,同じく1月5日から利用可能になっている。

 
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