岡山醫學會雜誌
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「フロリチン」糖尿作用ニ就テ 第四報告
御前 慶造
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1927 年 39 巻 449 号 p. 771-777

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抄録

「フロリチン」糖尿ハ腎臟ノ塘通過力ノ變化ニ起因スルモノナルコトハ現今一般ノ承認スル所ナリ.著者ハ前ニ「フロリチン」ノ糖尿作用ハソノ構子ノ結合方法ノ如何ニヨルモノナラントノ見解ノ下ニコレガ作用本態ノ研究ヲ企テー分子ノ「フロリチン」ニ一定條件ノ下ニ二分子ノ臭素テ作用セシメ二臭素「フロリチン」ヲ得,コノモノハ過剰ノ臭素ニヨリー分子ノ葡萄糖ト六臭素「フロレチン」ニ分解シ又「アルカリ」分解ニヨリテ「ブロームフロレチン」酸卜「ブロームフロリン」トヲ得タリ.之ヲ動物ニ注射スルニ殆ド糖尿作用ヲ用セザルヲ認メ之ヲ報告セリ.
更ニ一分子ノ「フロリチン」ニ二分子ノ沃度ヲ作用セシメ二沃度「フロリチン」ヲ得之ヲ過剰ノ「ブローム」ニヨリ分解シテ沃度ノ代リニ「ブローム」ノ篏入セル六臭素「フロレチン」ト葡萄糖ヲ得又「アルカリ」ニテ分解シ沃度ヲ含有セザル「フロレチン」酸ヲ得タリ,之ヲ動物ニ注射セルニソノ糖尿作用ハ「フロリチン」ニ比シテ遙ニ弱ク血糖ニ對シ殆ド影響スル所ナキヲ認メタリ.

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