1977 年 89 巻 9-10 号 p. 1151-1164
腫瘍のcollagenase活性を解明する目的で,培養癌細胞および培養線維芽細胞のcollagenase活性を測定し,培養癌細胞は著しいcollagenase産生能を有するが,培養線維芽細胞には, collagenase活性はわずかであり,活性型collagenaseは,ほとんど認めなかった.
さらにGross-Lapiereの組織培養法により,人正常組織,良性腫瘍,悪性腫瘍のcollagenase活性を測定し,それぞれの活性を比較検討するに,悪性腫瘍のcollagenase活性は正常組織や良性腫瘍に比較して,はるかに高活性であった.そして,これらのcollagenase活性は,動物性collagenaseによるものであることをdisc電気泳動で証明した.