抄録
大分県立看護科学大学では4 年次生を対象に「総合看護学」を導入し、人間科学関連の科目を中心とした専門基盤教育と看護専門教育との有機的な融合を図るとともに、看護実践能力の向上もめざした取り組みを行った。科目目標は、医療・保健現場において遭遇しやすい状況・場面について、より専門的な知識に基づき適切なアセスメント、看護ケアを提供できる能力を養うことである。履修時期は、4 年次後期とし、就職、国家試験を目前にしているため、自律的な学習ができ、総合的な判断力を身につける最も効率的な時期として設定した。グループワークによる学習形態とし、課題事例に対して演習およびロールプレイを実施した。医療・保健現場で遭遇しやすく専門性の高い事例を展開することで、実践現場を想起した学習ができたと感じており、また事例に対する学びだけではなく、物事を深く追求していく姿勢、根拠に基づいた対応姿勢などの重要性を認識できたと感じている。