2025 年 10 巻 1 号 p. 19-23
乳房再建において,乳房インプラントのみでは形態の対称性が得られにくい場合があり,その改善策として脂肪移植の併用が有効である。特に,乳房インプラントの輪郭の不整,リップリング,上胸部や腋窩部の陥凹などの問題に対して有効である。また,われわれの過去の報告では,脂肪移植の併用は,乳房インプラント再建群と自家組織再建群の中間的な満足度を示し,整容性向上に寄与することが示唆された。これらの手技は簡便であり,脂肪移植初心者にも適している。長期的には乳房インプラントから自家組織再建への移行の可能性を考慮し,脂肪採取部位の選択についても検討が必要である。