2019 年 4 巻 3 号 p. 60-69
整容性不良となりやすい下部領域の乳房部分切除時に, 当科で用いている乳房形成手技のabdominal advancement flap (AAF) とcrescent techniqueについて解説する。【AAF】乳房下溝線 (IMF) より尾側の皮膚・皮下組織を頭側に引き上げ胸壁に固定し, 下部領域のボリュームを補填する手技である。得られるボリュームは少ないが, 皮膚も補填できるため腫瘍直上皮膚切除が必要な症例はよい適応となる。【Crescent technique】IMF尾側の皮膚を三日月状に脱上皮化し, 辺縁を折りたたみ欠損部へ充填する局所皮弁である。腫瘍直上皮膚切除を必要としない症例が適応となる。皮膚切開が長くなるのが欠点であるが, 下垂乳房では手術創は見えなくなるためよい適応となる。皮下剥離の範囲が少ないため, 脂肪性乳房にも適している。【まとめ】両手技とも, 比較的容易で合併症も起こりにくいので, 是非, 習得してほしい手技である。