Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
原著
十分な容量とscarless donorを目指した広背筋皮弁と乳房インプラントによる乳房再建
藤井 海和子永井 啓太松永 宜子ドケルコフ 麻衣子冨田 祥一寺尾 保信
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2023 年 8 巻 2 号 p. 60-66

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抄録

整容性のために広背筋皮弁 (LD) に乳房シリコンインプラント (SBI) を併用した症例の検討を行った。2001年以降に行った 16 例を対象とし, 手術の工夫や LD 単独症例と比較した整容性および安全性についても検討した。併用した LD は通常の皮島を有するものが 6 例, 皮島を小さくした mini 皮島群が 6 例, 背部に瘢痕を残さない皮島なし群が 4 例であった。SBI は大胸筋の上, 広背筋の下に留置することで, 上肢の運動に伴って動く乳房再建となった。本法では背部の剥離範囲が少なく, 創部の緊張も減り術後の合併症を減らすことができた。通常の LD 単独と比較すると, 手術時間や出血量に有意差はなく, 安全性に問題はなかった。本法は十分な大きさと良好な形態の乳房再建となり, ドナーの整容性も保てた。患者の同意が得られれば選択肢の一つとなりうる。しかし, SBI に関する BIA-ALCL 等のリスクへの配慮は忘れてはならない。

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© 2023 一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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