1976 年 18 巻 2 号 p. 115-124
93例の各種唾液腺腫瘍の酸性粘液多糖体についてPAS, ムチカルミン, トルイジンブルー染色 (pH 4.1) とコンドロイチナーゼ・ABC, 牛睾丸ヒアルロニダーゼ, ストレプトミセス・ビアルロニダーゼ, シアリダーゼによる酸性粘液多糖体消化酵素処理したものとによる組織化学的検索を行なった。
上皮性粘液はシアル酸を, 間葉性粘液はコンドロイチン硫酸A, Cとビアルロン酸を含有し, 前者は腺上皮細胞に, 後者は筋上皮細胞に由来するものと考えられ, 多形性腺腫と腺様嚢胞癌は筋上皮細胞が, 腺リンパ腫, 粘表皮腫, 腺癌は腺上皮細胞が腫瘍成分の主体をなしているものと思われる。