歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
マウス胎仔口蓋突起におけるGlucocorticoid Receptorの分布に関する組織化学的研究
古賀 隆則
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1981 年 23 巻 1 号 p. 115-133

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抄録
glucocorticoid (GC) による口蓋裂の誘発において, GC-receptorの役割を明らかにするために8H-triamcinolone acetonide (TA) を用いて, 光学顕微鏡および電子顕微鏡オートラジオグラフィーによる検討を行った。
TAを直接羊膜腔内に注入し, TAの直接作用により, 口蓋裂が誘発されることを確認した。GC-receptorは1% D-catechi織を含むKamovsky固定液によって効果的に固定されることがわかった。3H-TAの羊膜腔内注入法による光学顕微鏡オートラジオグラフィーの結果, GCによって効果的に口蓋裂が誘発される時期ほど, 口蓋突起内のGC-receptor量が多い傾向が認められた。組織培養法による光学顕微鏡オートラジオグラフィーの結果, 口蓋突起内のGC-receptorは鼻腔側に比べ口腔側に多い傾向が認められ, 電子顕微鏡オートラジオグラフィーの結果は, GC-receptorの細胞内移動に関する仮説にそうものであった。
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