マグネシウム (以下Mg) 欠乏ラットで, カルシウム (以下Ca) 量の増減が歯牙, 歯周組織骨組織にどのような影響を及すかを組織化学的に検索した。
検討した酵素は, アルカリ性フォスファターゼ (以下ALP), 酸性フォスファターゼ (以下ACP) および脱水素酵素である。
その結果, 歯牙, 歯周組織では, ALPの活性は対照群より実験群, 即ちMg-Ca無投与群, Mg無投与でCa多量投与群の方が活性は弱いが, ACPでは4週目で, 対照群, 実験群共に同様の強い活性を示した。脱水素酵素では, 実験群のイソクエン酸, 乳酸コハク酸脱水素酵素で活性は弱かった。膝関節脛骨頭では, ALPの実験群の活性は弱く, ACPでは対照群, Mg-Ca無投与群の活性は強く, 脱水素酵素では, Caを多量投与したものほど活性は弱かった。
従って, 組織化学的にMg, Caが硬組織形成過程に重要な役割を果していることがわかった。
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